業界誌の撮影を任される美容師になるための準備とは?[MINXオフィシャル]
2023/08/25
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2023/08/25
美容学生の皆様、こんにちは!
美容専門学校生や美容師さんの中には、いつか美容業界誌に登場して、自分のヘアデザインやテクニックを披露したい。有名になりたい。と思っている人も多いかと思います。
業界誌の撮影で大切なのは、なにより撮影当日までの準備です!
今回は、撮影するまでにどんな準備が必要なのか、そして撮影の現場ではいったい何が行なわれているのかをご紹介します。いつか夢が叶って撮影の機会を得たときに、その一度では終わらせず、次も企画のオファーをいただくために。この記事を参考に、万全の準備を整えておいてくださいね。
そもそも業界誌って何? と思っている人もいるかと思います。
美容業界誌とは美容師が読む本。どの業界にもある専門誌というものが存在しますが、その美容師業界版です。
つまり美容の業界に属している人、主に美容師が勉強や情報を得るために読む本が美容業界誌です。代表的な雑誌だけでも6、7誌あり、ヘアデザインに特化している雑誌、ケミカルに強い雑誌、美容室経営に主軸を置いている雑誌など、雑誌によってテーマは多岐に渡っています。
ポイントは撮影する人も美容師だし、読む人も美容師だということ。
プロがプロ向けに発するヘアデザインや情報だから、発信する側はごまかしがききません。ヘアデザインも技術も、見る人が見ればすべてお見通し。業界誌はすべてにおいて「真剣勝負の場」と捉えていいと思います。
一般誌の撮影と、業界誌の撮影の一番の違いは読者層です。
一般誌の撮影もファッションページとヘアページで撮影への関わり方が若干異なりますが、どちらも読者は一般の女性。未来のお客さまでもある一般の女性に喜んでもらえるヘアスタイルを提案していくことが大事になります。
一方で業界誌の撮影は、プロに向けて発信する撮影です。
自分の存在価値を認めてもらえるチャンスですし、自分のテクニックを世の中に発表できるチャンスでもあります。打ち出すヘアデザインやテクニックの意味合いも、一般誌とは大きく異なってきます。
僕の個人的な気持ちとしてはどっちも一生懸命やるという部分では変わらないですが、かける熱量が違うかもしれません。もちろん好き好きによると思います。一般誌が好きという美容師さんもいるでしょうし、業界誌のほうが好きという美容師さんもいると思います。僕自身は今、業界に向けての仕事を多くさせていただいていますね。
業界誌の中には投稿ページがある雑誌もありますが、基本的には編集部から依頼を受けて撮影をするものがほとんどです。
僕の中では業界誌で依頼いただく撮影を「デザインページ」と「企画ページ」という分け方で捉えていて、それぞれ発表するヘアデザインも異なります。
デザインページというのは、美容師の思うようにページをつくらせてもらえる企画のことです。
自分印をつけたヘアスタイルや、これから打ち出していきたいヘアスタイルを提案したり、自分のやりたい世界観を実現させていただけるページです。表紙や巻頭ページ、企画の扉に掲載するイメージカットなどが、そういう撮影になることが多いです。
提案するヘアスタイルはリアルサロンワークに近いスタイルのときもあれば、今でいう“リアリティブ”……
ちょっと先を行くような、でもお客さまにも提案できそうなヘアスタイルを提案するときもあります。もしくはサロンワークには直接つながらない、クリエイティブなヘアスタイルを提案するときもあります。
企画ページというのは、編集部の企画に合わせて撮影を進めていくページです。こういった企画では依頼と合わせて、編集部からこんな問いかけがきます。
パーマが苦手な美容師に向けて、新しいパーマの提案はないですか?次のトレンドに向けて覚えておきたい、ヘアカラーの新しいデザインと技術は何ですか?
そういう投げかけに対して、こちらから答えを出すのが企画ページです。
ここで発表するヘアスタイルはサロンスタイルで、すぐにお客さまに提案できるようなヘアスタイルが求められます。またそれに合わせたテクニック撮影を伴う場合も多いです。
テクニック撮影は実際にモデルさんで撮影する場合もありますし、ウイッグを使って撮影する場合もあります。
企画ページでは自分がやりたいことというよりは、世の美容師さんが求めているものや、その先にいるお客さまが求めているものに、“責任を持って答えていく”というページだと捉えています。
自分の出した答えが全国の美容師さんの参考になり、読んだ美容師さんがお客さまに還元することで、僕が直接会うことができないお客さまにも喜んでいただくことができる。そういう撮影が、企画ページです。
業界誌の撮影で提案するテクニックは、わかりやすいことが第一です!
読んだ美容師さんに自分もやってみようと思ってもらうのが目的ですから、誰が見ても理解ができ、それでいて応用が効くものでなければ価値がありません。そのためにはテクニックはできるだけ無駄なものを省き、シンプルにしていく必要があります。またどのテクニック、どのプロセスにも、絶対に理由が必要です。
でも普段の営業中にやっていることには、感覚も入っていますよね。その感覚の部分を理論化して説明できるようにする必要もあります。
たとえば「このへんから、必要な分だけ梳きます」の、「このへん」はどこで、「どのくらい」か、というのをちゃんと説明できますか? 業界誌での撮影では、その説明まで求められるのです。
では自分のテクニックをどうやって整理し、シンプルなものにしていけばいいのでしょうか。
僕のおすすめは紙に書き出す方法です。
どういう理由、考えで、そこをそう切っているのか?なぜそこにセニングを入れたのか?というようなことを、一つひとつ書いてみることで改めて自分のテクニックが整理でき、撮影で紹介するポイントが見えてきます。
業界誌の撮影ではデザインページ、企画ページどちらも、心構えと準備が非常に大切です。いきなりモデルさんを呼んでその場の流れで撮影しても、成功するのは稀だと思ってください。
その場でモデルさんを見て、イメージできたことをなんとなくやろう。なんとなく可愛くなればいいだろう。それでは通用しないんです。だって業界誌はプロが見るものですから、ごまかしがきかないんです。
ここではデザインページと、テクニック撮影がある企画ページ、それぞれの準備の仕方を紹介します。
デザインページは割りと自由だと書きましたが、それでも基本的には何かしらのテーマがある場合がほとんどです。それをしっかり理解するのがファーストステップです。つまりこの撮影では編集部から出されたテーマ性に確実に答えながらも、いかに自分が好きなもの、自分のやりたいものを発表して、読む人に自分の印象を残せるかが大事になります。
準備のプロセスとしては、こういう感じに進めていきます。
つくりたいものを絵に起こして、イメージを固めていきます。
デッサンが実際に実現可能か、また頭に落とし込んだときにどういうデザインになるのかを実証します。
事前に数回試します。iPhoneなどで構わないので、写真に撮ったときの見え方や構図なども確認します。
事前にしっかり準備をしておけば、当日はとにかく集中してつくるだけ。
作品の毛先一本一本にまで魂を込める感じで打ち込めば、いい作品はつくれるはずです。
この他にカメラマンやスタイリストとの打ち合わせが入ることも多いです。
デザインページはヘアメイクをつくる人、写真を撮る人、衣装をやってくれる人、この三者の連携がとれていないといいページにはなりません。全員に同じテンションで撮影に臨んでもらえるようなチームワークを築くのも大切になってきます。
企画ページではページ内で何を見せて、何を伝えるかがある程度決まっていることがほとんどです。
何ページ構成の企画でどういうプロセス写真を何カット撮影するのかを事前に聞いておき、自分なりに絵コンテをつくっておくとスムーズに進みやすいです。
そもそも企画ページのテクニック撮影は後戻りができないので、失敗が許されません。だからこそ顔まわりを切ったらトップを切って・・・など、自分のテクニックの順番をしっかり整理してから、撮影に臨む必要があります。
16カット必要だったのに、14カットで完成してしまった! なんてことになったら大変ですもんね。
絵コンテをつくるのには慣れも必要ですから、できない場合は編集の方に自分の技術とその順番を伝えて、一緒に撮る内容を整理してもらうといいと思います。
業界紙はリアルカット、リアルパーマ、リアルカラーが基本です。
実際にカットやパーマ、ヘアカラーをさせてくれて、自分の提案したいデザインやイメージに合うモデルさんを探すことが大事になってきます。
さらに僕のこだわりを言えば、一般誌に出ているモデルさんは業界誌での撮影には使いません。業界紙は半歩先、一歩先を行く雑誌です。そこでは見慣れた顔のモデルさんよりは、初めて見るモデルが登場したほうが、新鮮さが際立ちます。またただ可愛いというよりも、ちょっとクセがある個性が強い顔立ちのモデルのほうが、誌面になったときの強さもあります。
一般誌のモデルさんはいろんな美容師さんの撮影を受けている子が多く、誰のカットなのか、誰のカラーなのかが、わからなくなっている人も多いのが現状。
せっかく撮影するなら「僕がつくった」というのを、読者に強く印象づけられるモデルさんでやりたいというのも本音です。
こだわればこだわるほどモデル選びは本当に大変です。でもここで妥協してしまったら、いい撮影にはならないので、モデルにはとことんこだわるのが大切だと思います。
業界誌の撮影をしたいと思っているなら、出続けることを使命にすべきだと僕は思っています。
チャンスさえ掴めば、一度か二度は誰でも業界誌に出ることは叶うでしょう。でも出続けるということは、そう簡単なことではありません。
この人の提案は、読者である美容師さんたちに必要だ!
そう、編集者さんに感じてもらえる美容師にならなければ、業界誌に出続けることは叶いません。
僕は撮影などで編集者さんと会うときには、新しい提案を必ず用意していきます。今考えていることや、次に打ち出していきたいことを提案することで、次の撮影につなげるのがねらいです。もちろん全部が採用されるなんてことはありません。
いくつか見ていただいたなかで、その中のひとつでも「いいですね」となれば、世に出せる可能性が見えてきます。提案はカケです。それでもアピールを続けていくことは必要ではないのかなと思っています。
業界誌の撮影では、日常のヘアスタイルから一歩進んだデザインをつくらせてもらっていることが多いので、モデルさんへのアフターフォローは欠かせません。
モデルさんがいつもの暮らしに戻れるよう、撮影直後にカットやヘアカラーを直すのはもちろん、MINXでは半年間くらいかけてトリートメントなどのメンテナンスを担当させていただいています。誠実にアフターフォローをすることで、次の撮影も受けてくださる可能性も高まりますし、信頼関係も生まれます。メンテナンスの期間が終わっても、ずっと通ってくださるモデルさんは多いですね。
サロンや自分自身の知名度、認知度を上げるなど、理由はさまざまだと思います。
僕の場合は若い頃から業界誌に出たくて出たくて仕方ありませんでした。有名になりたかったし、自分の名前を世の中に売りたかった。それが業界誌の撮影をはじめた一番の理由かもしれません。
業界誌の撮影は、美容業界全体の発展の役に立つこともありますし、全国の美容師さんの技術の向上や、読者の美容師さんの先にいるお客さまのためになることもあります。それだけ広い範囲に影響力を持つものです。最終的な目的はこういった貢献のようなものに至るのではないかと思います。
業界誌の撮影は撮影当日だけでなく、モデル探しや準備など本当に大変です。ですから何のために撮影をしたいのか?ということを、明確にしておかないと続かないし、疲れてしまうだけだと思います。
業界誌の撮影でテクニックを披露するために自分のテクニックを整理したり、デザインページのために自分の好きなものを見つめ直したりすることで、自分自身のテクニックが向上することは間違いありません。技術企画なら技術がうまくなり、結果お客さまが喜んでくれたり、再現性が高まったりということにつながります。
デザインページなら次回の提案が洗練され、お客さまからの信頼感が増すでしょう。お客さまにとってオシャレの先生みたいな存在になれるかもしれません。
ケミカル企画ならケミカル知識が高まって、よりお客さまの髪をきれいに、健康にすることに役立つでしょう。
撮影するメリットは本当に大きくて、どの撮影のジャンルにおいても最終的に、自分のお客さまに喜んでいただくことにつながっていきます。
業界誌の撮影では、撮影後の誌面になるまでも責任を持って携わることができます。自分で写真をセレクトでき、レタッチなどもリクエストすることができます。
また撮影後には後取材があります。
テクニックの意味やヘアデザインのポイントなどを編集者に伝え、それを文字に起こしてもらって雑誌の記事ができあがります。自分のつくりたいもの、見せたいものを最後まで妥協なくつくれるのも業界誌の撮影ならではです。
掲載誌が届いたら、改めて自分の作品やテクニックを客観的に見直すことをおすすめします。
いち美容師として読んで意味がわかるか、伝わりやすかったか、やってみようと思うのかというのがチェックポイント。
また人に評価をしてもらうのも、次につなげるために役立ちます。先輩や同期に誌面を見せて、意見をもらうといいでしょう。
ただあまり過去にとらわれすぎても良くないので、もし後悔があっても引きずらず、次のことに取り掛かっていきましょう。
MINXでは幸いなことに、先輩の撮影についていってそこで自分を売り込むということができます。
そこで自分の作品を見せたり、編集者に話しかけてアピールしたりできます。
そういった機会がない人も、業界誌の編集部はいつでも持ち込みを受け付けてくれています。編集部に足を運び、自分はどういう人間で、何ができるかというのをアピールすることでチャンスは得られると思います。
業界のコンテストやイベントにどんどん出場し、存在感を発揮するというアプローチもあると思います。いずれにしろ何もしなければ声をかけられることはないので、自ら動くことが大事だと思います。またアプローチをすると同時に、自分のテクニックやデザインに対する理論、理屈を整理し、いつ撮影のチャンスがきても大丈夫なように準備しておくのも大切です。
僕の中では業界誌の撮影は、嘘がない、妥協がない、ごまかせない撮影です。
すべてが真剣勝負なのでプレッシャーも大きいですいし、本当に疲れます。
でもやり終わったあとの達成感はとてつもなく大きいですし、業界誌に自分の名前が出る、全国の美容師さんに見てもらえるというのは、本当にうれしく、モチベーションも上がります。
ぜひみなさんにも挑戦してもらえたらと思います。
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